この記事は2017/09/28に書いたものです。

引用元:Amazon.co.jp: ウルトラマン80を観る | Prime Video
概要
1980年放送 全50話 前作「ウルトラマンレオ」終了をもってウルトラシリーズを再び休止した円谷プロ。 その後、恐竜シリーズと呼ばれる特撮作品を作る一方で「機動戦士ガンダム」で知られるアニメ制作会社サンライズとの共同制作でアニメ作品「ザ★ウルトラマン」を制作していました(「ザ・」ではなく「ザ★」ね。これ大事よ)。 アニメという媒体を活かして特撮ではできない表現に挑戦したザ★ウルトラマンは久々のウルトラシリーズということもあって好評を得ていましたが、やっぱりウルトラマンは特撮で見たい。という声が数多く上がることになります。 その声に答え円谷プロが制作したのが「ウルトラマン80(ウルトラマンエイティ)」です。 このウルトラマン80という名前には80年代を担う新たなヒーローという意味が込められ、このウルトラマンには80年代という新たな時代の新たなウルトラマン像が求められました。 そこで考えられたのがウルトラマンと教師ドラマが融合した「ウルトラマン先生」というアイデアでした。アイデア自体は初代の頃からあったらしいのですが、この頃に金八先生が大ヒットし世間で教師ドラマが流行っていたことからウルトラマン先生を送り出すには今しかないと考えていたようです。

引用元:ウルトラマン80第1話 / 「ウルトラマン先生」
ということでM78星雲から地球へ赴任した新たなウルトラマン、ウルトラマン80は地球では矢的猛(やまと たけし)という男性の姿となり普段は中学校の教師として活動することになります。ウルトラ史上初の民間人ウルトラマン!・・・と思いきや、地球防衛チームUGMの隊長に目をつけられ日中は中学校の教師、放課後と休日はUGMの隊員という(休日のない)生活を送ることになります(労基)。 矢的を演じたのは長谷川初範さん。現在では特撮俳優というイメージが全くない方ですが、長谷川さんは矢的猛を演じたことを誇りとしており近年の作品でも矢的猛としてウルトラマン80としてゲスト出演されています(さすがに変身シーンは事務所NGらしいですが)。 ウルトラマンが教師となる理由として作品のキーワードであるマイナスエネルギーが設定されることになります。 これは人間の持つ怒り、悲しみ、妬みといった負の感情のことで、このマイナスエネルギーを吸収することで怪獣が目覚め、より凶暴になってしまうというもの。 このマイナスエネルギーの発生を抑えるために80は教師となり「一所懸命」をモットーに思春期の子供たちの心に立ち向かっていくことになるのです。 ウルトラマン先生というアイデアは数々の良作を生み出しました。が、30分という短い放送時間で学園ドラマとウルトラマンの戦いを両立させながら話を完結させるのは難しく、更に求められていた視聴率が達成できてないという現実を突き付けられます。学園ドラマ撮影のために実際の中学校の校舎を借りていたり、多くの子役が出演していた事もあって撮影ができるのが休日しか無かったことから撮影スケジュールがどんどん厳しくなっていたことも相まって80は従来のウルトラマンのフォーマットへ路線変更することになってしまいます。 この路線変更は作中で一切のフォローが入らず唐突にウルトラマン先生は終わりを迎えることに・・・というか教師を辞めたということすら一切言及されませんでした。 その後、物語の中心となるのが防衛チームUGM(ゆーじーえむ)。 80の世界では前作ウルトラマンレオでレオがラスボスを倒してから5年の間怪獣や宇宙人が一切出現しなかったという設定になっており、当初は隊長以外実戦経験がなく、士気も最低で第一話では基地の設備を使ってテレビゲームに興じるというとんでもない給料(税金)泥棒っぷりを披露しました。その後は隊員が経験を積んだことや他支部から優秀な副隊長が着任したこともあって頼りになるチームとなっていきます。が、前述の通り序盤は学校が舞台の中心になるので影が薄く、舞台の中心がこちらに移った後も「ウルトラマンの活躍を第一に描く」という特撮版の意向により扱いは完全にウルトラマンの前座。防衛チームが最も輝ける「ウルトラマンを援護して勝利をもたらす」というシーンも非常に少なく「観戦に定評のあるUGM」とまで言われてしまうなどストーリー上の扱いはかなり不遇です。だからこそ「ウルトラマン80への依存を自覚し、そこから脱却するために自分たちだけで怪獣を撃破する」最終回が映えるわけですが普段からもう少し活躍させてあげてほしかったですね・・・。 特撮面では久々のウルトラシリーズということで特撮班が奮起。アナログ特撮最高峰と称される映像の数々を生み出しました。特に実写映像とミニチュアの映像を合成して生まれた戦闘機の発進シーンや空中戦艦スペースマミーの巨大感を感じる演出は必見(まぁ、映像が格好良くても活躍は前述のとおりなんですが)。 ウルトラマンのアクションは重量感よりもスピーディさを重視しており、シャッ!シャッ!という特徴的な効果音と共に素早く軽やかなアクションをカメラワークを駆使してダイナミックに描きます。 全体を通して見ると教師編からの急な路線変更を始めとして話毎にキャラの設定にブレがあったりとどうにもチグハグ感があるのが否めないのは事実ですが、非常にレベルの高い特撮技術により一話ごとのクオリティは高く見ごたえのある作品です。 ウルトラマン80はTSUBURAYA IMAGINATIONで見放題配信中です。 ちなみにこの作品以降、地上波のウルトラシリーズは16年に渡る休止状態に入ります。 80年代を担うウルトラマンとは言え、80年台のウルトラマンは彼しかいないというね・・・。
INABA的おすすめエピソード
第51話 思い出の先生 桜ヶ丘中学校。かつて矢的猛が教師として教鞭をとっていたこの学校に勤務する教師塚本。 ある日、塚本は自分が担当するクラスの不登校生徒を迎えに行く。学校へ行くことの不安や恐怖を訴える生徒に対し塚本は自分も同じ年の頃に不登校だったこと。その状態から自分を救ってくれた先生の事を話し、その体験からアドバイスを送る。 その先生こそ矢的猛であり、塚本は矢的に憧れて自分も教師の道を選んだ。そして塚本は矢的こそがウルトラマン80であると信じていた。 桜ヶ丘中学校は統廃合による廃校が決まっており塚本は同級生と共に学校が無くなる前に同窓会を計画。たまたま知り合ったGUYS隊員ヒビノ・ミライに防衛チームに所属していた繋がりから矢的にクラス会の事を伝え出席をお願いしてほしいと依頼する。 矢的は生徒たちに別れの挨拶をすることもなくある日突然学校を去ってしまっており、塚本達はもう一度矢的に会いたいと思っていたのだ。 依頼を受けたミライはテレパシーでウルトラマン80に生徒たちの思いを伝えウルトラマン80としてではなく矢的猛として同窓会に出席してほしいと伝えた。 しかし、80は地球防衛を優先するためとは言え、教職と共に生徒達を見捨ててしまった事に負い目を感じており、自分は生徒たちに会う資格が資格がないと同窓会の出席を拒否。ミライに生徒たちには矢的が謝っていたと伝えてほしいと頼む。 生徒たちと80の間で板挟みになるミライ。彼が80の言葉を伝えられないまま同窓会の日を迎えることになる。 もう一度矢的先生に会いたい。生徒たちの思いは80へ届くのだろうか。 ・・・なんかあらすじがおかしくない?上に全50話って書いてあるのに51話だし、GUYSとかヒビノ・ミライとかこの前紹介してたウルトラマンメビウスじゃん。と思ったそこのアナタは鋭い! というのもこのエピソードはウルトラマン80のエピソードではなくウルトラマンメビウスのエピソードなのです。 昭和シリーズと世界観がつながっているメビウスでは過去の作品とのつながりを意識したエピソードが数多くあるのですがこのエピソードはウルトラマン80の客演回であり後日談となっているのです。 このエピソードの特徴は路線変更という大人の事情にフォローを入れ設定へと見事に昇華させていることです。 80本人が語る当時の心境や変わることのない生徒への思い、矢的先生を尊敬し続ける生徒たちの思いを、「ウルトラマン先生」という路線を取った80だからこそ使える「同窓会」という舞台で描きます。 このエピソードの完成度は凄まじく、ウルトラファンからは「ウルトラマン80第51話」「80真の最終回」と呼ばれ、日本オタク大賞において初登場から25年経過したキャラクターが大賞を受賞するという前代未聞にして未だ右に出るものがいない快挙を成し遂げました。 是非ともウルトラマン80を全話見たらその流れで見てほしいエピソードですね。私は初見の時泣きました。 ちなみに、このエピソードには矢的猛を演じていた長谷川初範さんが矢的猛として本人出演されているのですが、スケジュール調整がかなり難しく本編への登場は絶望的だと思われていました。 そんな中、円谷プロは長谷川さんへ一通の手紙を送ります。それは、長谷川さんへの出演オファー・・・ではなく「矢的先生への同窓会の招待状」でした。 この手紙でこのエピソードに対する思いを受け取った長谷川さんは出演を快諾し、何とかスケジュールを調整して出演してくれたそうです。
紹介動画
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