ウルトラマンの話

『ウルトラマンブレーザー』第16話「恐怖は地底より」感想

2023年10月29日

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第16話

地底の大穴を覗いた時、内なる恐怖が顔を出す。という、なんともホラーなお話。

そして石田彰AIの初登場。

・・・不安である。

アーくん

ついにアースガロンに搭載された対話型AI「EGOISS(イーゴイス)」。改め、本人の希望でアーくん。

「はじめましてEGOISSです。」ではなく、「いつもお世話になってます。アースガロンです。」って挨拶しているのはビビった。後乗せのAIとしてではなくて「アースガロン」としてのAIなのね。ついにアースガロンが意志を持ったか。アーくんという名前もヤスノブがそう呼んでいたからそう呼んでほしいというアーくんの希望によるもの。これまでのアースガロンやSKaRDの戦歴やデータも全部入っているのかね。

しかし、CV:石田彰ってだけでなぜここまで不安になるのだろう・・・。少なくともアースガロンの意志として存在するAIなのでSKaRDに害を及ぼす存在ではないと思いたい。今回はアースガロン初搭乗、初実戦のエミをちゃんとサポートしてたしね。

同時視聴の時に二作連続でAIがっていうコメントであったんですけど、確かにハネジローに続いてのAIキャラ登場ですね。今は丁寧な口調で話しているけどSKaRDから要望があったらカナタに対するハネジローみたいに砕けた口調とかも出来るんだろうか。アンリお前さぁ、射撃ノーコンすぎね?とか言うんだろうかwって話をしたらリスナーさんから砕けた口調の石田彰とかディアスじゃん。絶対ヤバいじゃんとか言われましたがw

コミュニケーションがテーマのブレーザーでついにコミュニケーションができるAIが登場。このコミュニケーションはどこへ向かっていくのか。こうご期待。・・・最終回でパイロットを強制的に脱出させて「サヨナラ ヤスノブ」をやる可能性も高まったと言えるが。

それぞれの恐怖

突如地面に開いた巨大な穴。覗き込んだ人は様々な幻影を見る。この幻影はモグージョンが放つ光によって人間の脳の恐怖を司る部分が刺激され自分が恐ろしいと思うものの幻影を見てしまう。との事。ちゃんとSF的な原理が説明されているのがいいね。

ある人は巨大な鳥、ある人はサルのような巨人、ある人は巨大なサソリの尻尾、ある人はタコの様な巨大な吸盤。と証言も様々。って、これ全部ウルトラ怪獣やないかーい!バッサー、M1号、バラバ、タッコング。ちなみに同時視聴のコメントによると全部今回の担当である辻本監督に縁ある怪獣とのこと。趣味丸出しやな。だが、それがいい。そして、それらの証言を元に出来上がった怪獣の予想図が・・・水木しげるやないかーい!たしかに証言をまとめると妖怪になるけど、絵のタッチが完全に水木しげるなんだよなぁwしかもモッピーの中に3枚もプリントアウトしてるしw

他にもアンリはタガヌラー、ヤスノブはカナン星人、ゲント隊長は壊れたアースガロンとそれぞれ幻影を見る中、副隊長が見たものは・・・巨大なおはぎ。そのまま気を失う副隊長。巨大なおはぎを見て気絶して病院に担ぎ込まれる防衛チーム隊員とか前代未聞だな。トマトに追いかけられた隊員もいるけど。てか、原理的にはエタルガーのエタルダミーに近いのか。幻影で終わるか具現化するかの違いはあるけど。

それぞれの恐怖を見て行動不能になる隊員たちが多い中、ゲント隊長だけは恐怖を振り切ってモグージョンの姿をしっかり見れていたのが面白い。本人曰く、特殊部隊の訓練で恐怖心の克服には慣れっことのこと。「ウルトラマンと一体化しているから」ではなく、ちゃんとした理由付けがされているのがいいし、事前に副隊長が見たおはぎや他の人々の証言から「自分が恐怖を覚えるものを見ているのではないか」ってアンリが推察しているのも良かった。これがあったから隊長は恐怖心に気づけてコントロールしたわけだもんね。最近見た映画に「友達って言うけど、お前あいつの好きなもの知ってるか?嫌いなもの知ってるか?」ってシーンがあったけど、副隊長の嫌いなものを隊員たちが知っているっていうのが、SKaRDの仲の良さを表しているようにも見える。壊れたアースガロンの幻影を見るほど、部下を失うことを恐れているのも印象的でしたね。しかし、副隊長はともかく既に倒した相手を見てアンリとヤスノブが戦闘不能になるのはどうなの?もしかしたら幻影を見せるだけじゃなくて恐怖を増幅させる力もあったのかも。

エミ、心の闇

モグージョン出現時に司令部にいたために幻影に惑わされなかったエミ。

隊長は既に出撃して基地にいない。他のメンバーは病院送りとなった。司令部にあるアースガロンを操縦できるのはエミしかいない。ということで初めてアースガロンで出撃&単独出撃することになったエミ。

アーくんのサポートを受けながら何とか戦っていたエミでしたが、モグージョンの光を浴びてしまい、恐怖心に駆られたエミが見たものは・・・自分自身。

恐怖に感じているもので自分自身を見るとかそうとう闇が深いぞこれ・・・。元々闇が深そうな子ではあったけど。

それだけ今の自分自身が嫌いなのかね。父親の失踪から荒れた時期でもあったんだろうか。

あくまでモグージョンの姿が自分に見ているだけで動きはモグージョンの物だから、あの荒々しい動きにエミは関係ないはずだけど。

それでも最後は仲間に支えられて恐怖を克服。見事ブレーザーの勝利に貢献しましたとさ。エミはまだまだ仲間に心の内を見せていない感じがするし、これを機に自分を出せていければいいけど。

しかし、エミだけが見ている幻影とはいえまさかの巨大エミ隊員w

当然このシーンはミニチュアセットの中でエミ役の方がやっているわけで。楽しかっただろうなぁwウルトラマンボッコボコに出来るし、ミニチュアは破壊できるし、思いっきりウルトラマン踏んづけたしw長いウルトラシリーズの歴史の中でも生身でウルトラマンをボコボコにしたり、殺陣を演じだ役者さんはそうはおるまい。

モグージョン

今回の登場怪獣「幻影怪獣モグージョン」。モグラとイリュージョンの合体ですかね。

ただでさえ幻影を見せるという厄介な能力を持ちますが、これはモグーションが肉食で対象を確実に捕食するために動きを止めるための能力ではないか。との事。捕食のためにとんでもない能力を身に着けやがったな。

さらにノコギリのように回転するトサカにどこぞのゴムゴムのように伸びる腕。などなど厄介な能力を持っている。

これだけでも強敵なのに、ブレーザーが投げたレインボー光輪を真ん中の空洞を使って受け止め投げ返したり、相手が光を見ないように戦っている事を看破すると相手が目を閉じることを利用して単純に目眩ましとして使ったり、更には光を出すふりをして目を閉じた所を攻撃、ようはフェイントという技を理解していたり知能も発達している模様。レインボー光輪に関しても真っ直ぐ投げるブレーザーに対して、変則的な軌道を描いて投げてたしね。ていうか、頭のノコギリやら伸びる腕やらこいつ本当に生物なんだろうか・・・。愛くるしささえ覚える外見に対してなんとも恐ろしいやつである。モグーションって名前は上層部が付けたものみたいだし、命名規則と外れるからウエイブ達とは関係ないんだろうけど。

能力と知能でブレーザーを追いつめていくモグージョン。しかし、ここでブレーザーは目を閉じて戦うという逆転発想に至る。ここでもモグージョンは相手が目を閉じた事を理解して物音を立てないようにゆっくり動いているわけでやはり知能が高い。それでも最後はエミの助言とブレーザーの野生の勘で見事目をつぶったまま強烈な一撃を与えることに成功。そのままチルソナイトソードの一撃で木っ端微塵となりました。

ウルトラマンの目の光が消えるって敗北とか、絶望に繋がるものだけど、まさか怪獣撃破の鍵になるとは。

モグージョンの厄介さ、いままでのイメージを逆手に取った逆転演出、その戦いを彩るミニチュア達。辻本監督だから出来た作品ですな。

次回

次回は第17話・・・ではなく総集編。

映像を見た感じだと以前登場したテレビ局の3人組は出てこない?でも、ブレーザーを監視している物がいるらしい。一体何者なのか。それが黒幕?ウエイブたちを送り込んでいるものの正体?

次回にこうご期待。

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