ウルトラマンの話

作品紹介 大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE

2017年12月22日

この記事は2017/12/19に書いたものです。

あらすじ

M78星雲ウルトラの星。
宇宙の平和を守る為戦う勇敢なウルトラ戦士たちの故郷。
しかし、長い歴史の中に1人だけ力の誘惑に負けた者がいた。
その名は、ウルトラマンベリアル。

ウルトラマンキングによって次元牢に幽閉されていたベリアルだったが悪しき宇宙人の手引きにより脱獄。
100体の怪獣を操るギガバトルナイザーを手にウルトラの国へ再び反逆を開始するベリアル。
その圧倒的な力の前にウルトラ戦士は次々と敗れ、遂にはウルトラの星の力の源であるプラズマスパークを奪われてしまう。
力を失ったウルトラの星は星もすべての命も凍りついた死の星へと変わり果ててしまった。
何とか難を逃れたウルトラマンメビウスは同じく難を逃れたウルトラマン、ウルトラセブンの助言を受けベリアルと同じレイオニクスの力を持つ青年レイを迎えに地球を目指す。

一方、ウルトラの星から遠く離れた小惑星にウルトラマンレオと修行に明け暮れる若き戦士の姿があった。
のちに若き最強戦士へと成長するその戦士の名は
ウルトラマンゼロ。

主な登場人物

・レイ
大怪獣バトルの主人公で地球のレイオニクス(怪獣使い)。
ベリアルと同じレイオニクスの力を持つことからウルトラマン、ウルトラセブンにベリアルに対抗しうる力を持つ者と呼ばれる。
ウルトラマンメビウスの求めに応じてベリアルを倒すべくウルトラの星へ向かう。
相棒の怪獣はゴモラ。

・ウルトラマンメビウス/ヒビノ・ミライ
宇宙警備隊のルーキー。
ベリアルの襲撃にはウルトラマンヒカリと共に立ち向かうも敗北し、星の外へと吹っ飛ばされてしまった。が、これにより結果として凍結を逃れる事になった。
ウルトラマン、ウルトラセブンの助言を受け地球へレイを迎えに行く。

・ウルトラマン/ハヤタ・シン
・ウルトラセブン/モロボシ・ダン
ご存知、ウルトラ兄弟の次男と三男。
ベリアルの襲撃にはゾフィーと共に立ち向かったもののわりとあっけなく敗北。
しかし、それが故にウルトラの星凍結の際にバリアを張る余力が残っており凍結を逃れた。
自分の身を守るのに力を使い果たしてしまった為に、メビウスにレイを迎えに行くよう依頼する。

・ウルトラマンレオ
ご存知ウルトラ兄弟の七男にして故郷のない男。
セブンから息子のゼロを託され彼の師匠として真の強さを教える為にウルトラの星から離れた小惑星で修行に明け暮れる。
この為、ベリアルの襲撃と凍結から逃れていた。

・アストラ
レオの弟にしてウルトラ兄弟の八男。
兄と共にゼロの師匠役を担う。

・ウルトラマンダイナ/アスカ・シン
ウルトラマンダイナ本編にて行方不明になっていた本人。実に11年ぶりの生存報告となった。
行方をくらませたレイを探していたスペースペンドラゴンの前に現れ彼らをウルトラの星へ導く。

・ウルトラマンゼロ
今作初登場となる若きウルトラマン。伝説の巨人ウルトラマンキングが一目置くほどの可能性を秘めるが、誤った強さに走りプラズマスパークを自分の物にしようとした罪でウルトラの星を追放されてしまった。
その後はレオに預けられ彼と修行の日々を送る。
セブンの息子なのだが、本人はそのことを知らない。

・ウルトラマンベリアル
今作初登場となる悪のウルトラマン。
ウルトラの父ことウルトラマンケンの戦友であり、共に平和を守る為に戦うウルトラ戦士だったが3万年前のエンペラ星人との戦争の際にその闇の力に魅せられた事や地位と名誉を得たウルトラの父への嫉妬などから生じた心の隙をレイブラッド星人に揺さぶられ闇堕ちした。
100体の怪獣を操るギガバトルナイザーを操りウルトラの星に反逆するもウルトラマンキングによって次元牢へ幽閉された。
しかし、邪悪な宇宙人の手引きで現代に蘇り再びウルトラの国へ反旗を翻す。

・ウルトラマンキング
ウルトラの星に伝わる伝説の巨人。
かつてのベリアルの反乱において自らベリアルを封印した。
今回は若きウルトラ戦士ゼロの可能性を信じ自らは手を下さず静観する。

・ゾフィー
ご存知宇宙警備隊隊長。
ウルトラマン、セブンと共にベリアルに挑むが敗北し氷漬けになる。
共に挑んだ2人がわりとあっさり負けたので単身奮闘して他のウルトラマン達に比べて善戦したものの敗北した。

・ウルトラマンタロウ
ご存知ウルトラNo.6。
ベリアル脱獄の際に部下と共にベリアルに挑むも敗北。
プラズマスパークが奪われた時にわずかに残ったエネルギーを守る為にその身を犠牲にするが、これが逆転の力を残す事となった。

・ウルトラマンジャック
・ウルトラマンエース
・ウルトラマン80
ご存知ウルトラ兄弟。
ベリアルに対し3人で立ち向かったが敗北する。この3人の組み合わせはなかなか珍しい組み合わせである
ちなみに80はこれがシリーズを通しての初敗北となった。

・ウルトラの父
ご存知宇宙警備隊大隊長。
かつての戦友ベリアルを止める為に立ち向かう。ベリアルと互角に立ち回るが古傷を攻撃されたことで形勢逆転され敗北した。

・ウルトラの母
ウルトラの父とともにベリアルを止める為に現れた。説得するだけと思いきや自らベリアルに立ち向かうなど今までにない一面を見せる。
というか、ウルトラの母の本格アクションが見れるのはこの映画ぐらいである。
棒読み。

・ウルトラマンヒカリ
ウルトラ兄弟の一員にしてスターマークを持つ優秀な科学者。
メビウスと共にベリアルに挑むも敗北する。
ちなみに、ダイナの役割は本来彼が担う予定であったがダイナの出演が決まった事でやられ役となってしまった。哀れ。

・レイブラッド星人
全宇宙の支配を企んだ宇宙人にして大怪獣バトルの元凶。
現在は滅んだ存在であるがベリアルの闇落ちに深く関わっており回想で登場する。

・ウルトラマンマックス
・ウルトラマンゼノン
・ウルトラマンネオス
・ウルトラセブン21
・ウルトラマングレート
・ウルトラマンスコット
・ウルトラマンチャック
宇宙警備隊の一般隊員達と共にベリアルに集団戦を仕掛けるが無双ゲームの雑魚敵のように一掃されてしまった。

・ウルトラウーマンベス
上述の集団戦に参加。ベリアルに盾として使われる。

・ウルトラマンパワード
上述の集団戦に参加。
集団戦参加メンバーの中では唯一光線技を放つが、ベリアルに盾にされたベスに直撃してしまう。

概要

まず、タイトルになっている大怪獣バトルについて少しお話を。
この作品はBS11にて放送されていた円谷プロ制作の特撮ドラマで、昭和ウルトラシリーズ(とメビウス)と世界観を共有している作品です。
レイオニクスと呼ばれる怪獣使い達がパートナーとなる怪獣と共に戦うというもので、早い話がウルトラ怪獣でポケモンバトルしようぜ!というドラマです(なお、そのポケモンバトルは闇のゲームの模様)。
ちなみに、ポケットモンスターの元ネタはウルトラセブンに登場したカプセル怪獣だったりします。

ウルトラセブンの息子にして若き最強戦士「ウルトラマンゼロ」と光の国で唯一悪に落ちたウルトラマン「ウルトラマンベリアル」という現在でも高い人気を誇る二人の戦士が初登場した映画であり、現在まで続くこの二人の因縁が始まった映画でもあります。

舞台がM78星雲、光の国ということで昭和ウルトラマンが総集合。その中からウルトラマンの主人公ハヤタを演じた黒部進氏、ウルトラセブン主人公モロボシ・ダンを演じた森次晃嗣氏、ウルトラマンメビウス主人公ヒビノ・ミライを演じた五十嵐隼士氏が出演されている他、人間体の登場はありませんがウルトラマンジャック、ウルトラマンエース、ウルトラマンレオの声をかつて人間体を演じていたご本人達が担当するというファンサービスです(残念ながらタロウと80は別人。マックスは・・・触れないであげて!)。

ファンサービスはそれだけではなく、テレビ本編最終回で行方不明となり消息が不明であったウルトラマンダイナことアスカ・シンがつるの剛士氏の本人出演を引っさげて復活。
マイナーウルトラ戦士であるウルトラマングレート、ウルトラマンパワード、ウルトラマンスコット、ウルトラマンチャック、ウルトラウーマンベス、ウルトラマンネオス、ウルトラセブン21がチョイ役とはいえまさかの参戦。
スコット、チャック、ベスの3人は元がアニメなので3次元初参戦ですね。

更にウルトラシリーズの漫画を書き続けた偉大なる漫画家内山まもる氏、初代ウルトラマンのスーツアクターを務めた伝説のスーツアクター古谷敏氏がゲスト出演と、ありとあらゆるウルトラファンを網羅するファンサービスが散りばめられました。

ウルトラマンゼロの声優には人気若手声優宮野真守氏を起用。ライバルのウルトラマンベリアルは雨上がり決死隊の宮迫博之氏が起用され、なんとウルトラマンキングの声優として元内閣総理大臣である小泉純一郎氏をキャスティングするという話題性抜群な事をやってのけました。元総理大臣になにやらせてるんでしょうね・・・(ちなみに、後年の映画では元県知事を声優に起用しています。こっちは芸人出身の方ですけどね。)。

余談ですが、ゼロを担当した宮野氏はこの作品の前に「機動戦士ガンダム00」の主人公を演じており、ウルトラマンでゼロ、ガンダムで00に参加したので同じく0が並ぶ「仮面ライダー000(オーズ)」が発表された時には「まさかまた宮野か!?」と多くの特撮ファンが予想していましたがそんなことはなかったんだぜ!

当然、大怪獣バトルから続投となるZAPSPACYも忘れてはいけません。というか、タイトルからも分かる通り大怪獣バトルの映画なので主役は大怪獣バトルの主役であり、地球のレイオニクスであるレイです。ウルトラマンゼロではないのです。
ウルトラの星のレイオニクスでもあるベリアルに対抗すべく、メビウスはレイに助けを求めるという展開でZAPSPACYは長き歴史の中でついに人類のM78星雲到達を達成することになります。

特撮面ではまさかのミニチュアを廃止。作中のほぼ全てのシーンがグリーンバックで撮影されCG合成により映像が作られました。これにより、ロケ地を確保したりミニチュアを作る費用をカットして制作費を大幅に削減できたらしいです。平成三部作の頃はCGの使用が予算を圧迫していたことを考えると技術進歩を感じられる話ですね。CG合成により重力に捕われず自由に動くウルトラマンを見せてくれます。
その一方でCGに頼らないアクションにもこだわっていて、ウルトラ映画お決まりの超巨大怪獣に一切CGを使わず、スーツと機材のセットで表現してしまうという(謎の)こだわりっぷりを見せつけます(いいぞもっとやれ)。

その一方で、かつてとあるウルトラ映画が宣伝をしなかったことで爆死した苦い経験を活かし、めちゃイケとコラボするなどして大々的に宣伝を打った作品でもあります。

結果として、テレビシリーズが休止していた状況で上映館も少ないながらまずまずな結果を残すこととなりました。

海外展開もされていて、特に中国ではSTAND BY MEドラえもんに抜かれるまで中国における日本の映画興行収入第1位を記録しました。

この作品以降、映画とOVでウルトラマンゼロを主役としたウルトラマンゼロシリーズが展開されていくことになります。

大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIEはTSUBURAYA IMAGINATIONで見放題配信中です。

余談

この作品の恩恵を最も受けたのは間違いなくウルトラマンレオでしょう。

昭和第二期ウルトラシリーズがレオで終わってしまったため、その後の彼は客演の機会になかなか恵まれず、メビウスにて客演を果たしたものの影の薄い存在でした。

客演に恵まれなかったという境遇ではウルトラマンタロウ、ウルトラマン80も同じですが、タロウはウルトラの父とウルトラの母の実子という強力なアイデンティティを持ち、彼を主役とした映画が制作されました。80はレオと同じくメビウスでようやく客演の機会に恵まれましたが、この客演が日本オタク大賞を受賞するほど評価され若年層にも名前が知られる存在となりました。メビウスでの客演が評価されたのはレオも同じですが80の知名度が上がりすぎた結果、相対的に彼の影は薄くなってしまったのです。

そんな中、この映画においてレオはウルトラセブンよりウルトラマンゼロを託され彼の修行をおこなうことになります。つまりレオはゼロの師匠という唯一無二のポジションを獲得したのです。

これ以降の作品ではゼロを主人公にした作品、ゼロが客演する作品が非常に多くレオもゼロを救う頼れる師匠として参戦したり、参戦はしなくてもゼロからその存在が語られたりするようになり、知名度がぐんぐん上昇していくことになります。

ちなみに、レオがゼロの師匠となった理由は劇中ではかつて自分を育ててくれたセブンへの恩返しとしてゼロの教育を引き受けたという設定になっていますが、メタいことを言えば監督がレオをリアルタイムで見ておりレオの大ファンだから。です。これ以降の作品でも隙あらばレオを出そうとしてきます。

紹介動画

TSUBURAYA IMAGINATIONはコチラ!

ウルトラ銀河伝説も大怪獣バトルも見放題!









-ウルトラマンの話
-, , , ,