アニメやゲームの話

Newガンダムブレイカー 感想

2018年6月21日

この記事は2018/06/21に書いたものです。

今回ウルトラマン関係ありません

関係ないんだけど、ウルトラマンの記事書くより筆が進んだんだよなぁ。

主に怒りで。

この怒りはこき下ろしでしか癒せない

-マグナ・カルタ キャッチコピーより-

2018/6/21発売のNewガンダムブレイカー。多くのファンの期待を背負って発売したこのゲームだがとんでもない核地雷であった。

2018/6/21 18:00現在のAmazonレビュー
☆1.5とか評価甘すぎやろ

ガンダムブレイカーとは?

そもそもガンダムブレイカーってなに?というところから話したい。

シリーズはPlayStation3から始まっており、タイトルの通り機動戦士ガンダムを題材としたゲームなのだが、アニメ機動戦士ガンダムシリーズではなくガンダムのプラモデル通称「ガンプラ」をモチーフとした作品である。

自分だけのガンプラを組み上げそれをシュミレーターで動かし相手のガンプラを破壊。そしてパーツデータを手に入れて自分のガンプラを更に強化していく。そうして自分だけの最強のガンプラを組み上げることを売りとしたゲームである。

これまで3作が発売されており、今作は4作目にあたる。内容を大幅にリニューアルすることからガンダムブレイカー4ではなく、Newの名が付けられることになった。アニメの機動戦士ガンダムシリーズ4作目の主人公機がν(ニュー)ガンダムだったことにも掛けているのかもしれない

実際のところ、初代は微妙な出来でありゲームの評価は低めだったがそのコンセプトは高く評価されブラッシュアップが待ち望まれていた作品であった。そしてその声に見事に答えたのが2でありここでガンブレは作品として完成する。そして、その2を更に進化させたのが3であり正にシリーズ最高傑作といえる出来栄えと順当に進化を続けていたシリーズであった。

そして、発売されたシリーズ最新作。前作の評価もあって今回も期待値は高かったのだが、発売された本作Newガンダムブレイカーはその期待を打ち砕く・・・なんて生易しいものではなかった。

このゲームのダメなところ

まず起動してゲームを始めると待っているのは操作性の悪さだ。全体的に動きがもっさりしているのである。

ガンダムゲームには巨大ロボットを動かすということであえて操作を重めにしている作品も多々あるのだが今作はあくまでガンプラである。なので重さを意識した操作など必要ないし、そもそも歴代のガンブレはすべて軽快な動作であった。更にコントローラーのレスポンスも悪く、ジャンプやブーストはボタンを押してから実際に移行するまで1秒のラグがあり、せっかく組み上げたガンプラを思い通りに動かすことが出来ないのだ。

その劣悪な操作になんとか慣れて、いよいよパーツ集めだ!と意気込んでも残念ながら待っているのは苦行である。

前作までは倒した敵が落としたパーツは自動的に取得されるのでわざわざ拾いに行く必要がないし、数に制限なく拾うことが出来た。イメージとしては弾幕シューティングのアイテム自動回収システムを想像してもらうとわかりやすい。敵の大軍を一掃したあとにパーツが大量に手に入る光景は爽快感すら覚えるものであった。

が、今作では「相手チームとのパーツの奪い合い」というゲームにしてしまったために、パーツを拾いに行かねばならず一度に取得できるパーツも5つまでという制限がついてしまった。それ以上拾いたければフィールド内にある転送装置に手持ちのパーツを置きに行かないといけない。この転送装置を使用するためには数秒間棒立ちにならないといけない上に、奪い合いなので攻撃を受ければ手に入れたパーツを落としてしまうことだってある。そしてそのパーツは敵に持っていかれてしまうのだ。

想像してほしい。モンスターハンターで採取、採掘、剥ぎ取りで手に入る素材が5個までしか持てず、いちいちベースキャンプの納品ボックスに置いてこないといけない上にモンスターに攻撃されたらせっかく手に入れた素材が敵に奪われて無くなってしまう。

こんなゲームを誰が面白いと思うだろうか。

ちなみにこのゲームは無双ゲームの如く敵がわんさか湧いて出るゲームなのでフィールドに落ちるパーツの数は1つ2つではなく何十個に及ぶ。

そのため、ある程度敵を倒したら戦いを放棄して広く高低差も多いフィールドを劣悪な操作性で駆け回りパーツを拾い集めては転送、拾い集めては転送という苦行が始まるのである。さらにパーツを拾うためには歩きやブースト移動などの状態でなければ拾うことが出来ず攻撃動作での前進やダメージのノックバックでの移動ではパーツが弾かれて拾うことが出来ないのである。どこまで不親切なんだ。

その苦行を乗り越えてパーツを集め自分だけのガンプラを作ることができたとしても待っているのは虚無である。

タイトルの通り、お互いにガンプラを破壊するバトルが展開されるのがガンダムブレイカーシリーズ。要はダメージに耐えられず、頭とか腕とか足とか吹っ飛んでしまうのである。

従来のシリーズではキャプチャビームと言う外れたパーツを引き寄せて装着するシステムがあったのだが今作ではそれがない。

ではどうやってパーツの無くなった部分を修復するのかというと現地で拾ったパーツをそのまま付けることが出来るのである。

戦場で現地補修。これだけ聞くとロマンを感じるのだがこのシステムはオリジナルガンプラを売りとしているガンブレとは全く噛み合わないのだ。

すなわち、パーツ、武装、カラーリング。あらゆるものにこだわったオリジナルガンプラを作り上げても一度戦場に出ればそのこだわりのガンプラはバラバラに分解され、現地調達のパーツで補修することになる。そして出来上がるのはこだわりもクソもないキメラガンプラである。ステージクリア時には元々のオリジナルガンプラに戻るのだが苦行を乗り越えた先がこれでは全く報われない。

ちなみにステージ攻略中にキメラになってしまったガンプラが元に戻るのはゲージを溜めて覚醒を発動した時か自機が撃墜されて復帰する時のみ。

このため攻略サイトにおいて意図的な自殺が推奨されてしまう事態となっている。

ゲームにおいて死ぬということはみっともない上に非常に大きなペナルティを課せられるものであり、誰もが簡単に死なないことを目指して腕を磨いていくのがゲームである。自殺が推奨される時点でゲームとしては三流だと言わざるを得ない。

そして大して映像が高画質なわけでも、某地球防衛軍並に敵が多いわけではないのにやたら処理落ちが発生し、頻繁にゲームが止まるプチフリーズが発生するのもイライラを加速させる原因となる。

もういい。ガンプラバトルは諦めることにする。本作ではもう一つ、女の子たちとの恋愛を楽しむギャルゲー要素を売りとしている。

まず歴代のガンダムブレイカーに触れてきた身としてはこの時点で血迷っている。製作者は何もわかっていない。余計なクソ要素を入れるんじゃねぇ!と散々に言ってやりたいところだが、もうこれしか楽しめそうな要素がないのだ。

幸いにして攻略対象のヒロインたちは東山奈央佐倉綾音伊瀬茉莉也など豪華声優が揃っており彼女たちと恋愛ができるというだけでも割と需要があるだろう。

が、声優が豪華なだけで面白いなら苦労はない。

まずキャラクターたちに魅力が全くない。とりあえず歴代ガンダムのネタを喋らせておけばそれでいいと言わんばかりの寒い会話を繰り広げるだけである。更に自己紹介もそこそこに個別ルートをやらせようとするため誰からやっていこうかなぁという楽しみもない。ギャルゲーというのはまずはじっくり共通ルートで各キャラクターを掘り下げ魅力を出していくものだがそれがないのでそこで個別ルートを始められても全く感情移入が出来ない。抜きゲーだってもうちょい丁寧にキャラ掘り下げるぞおい。

さらにバッグログを見ることが出来ないとか選択肢が出るたびにゲーム処理が止まるとかWindowsMe時代のギャルゲーよりもシステムが劣悪である。ギャルゲーを求めるならとらのあなとかメロンブックスで遥かに安い同人ゲーを買ったほうが満足間違いなしである。

総評

ど う し て こ う な っ た

今まで積み重ねてきたシリーズの良さを全てかなぐり捨て、空いたところにクソを詰め込んだクソゲーである。シリーズの売りと全く噛み合わずに売りを殺す新システム。全てが劣化したアクション。誰が望んだのかわからない寒い劣悪ギャルゲー。褒めるところが一切ない。シリーズファンには勿論、新規の人にも全くオススメできない。

オリジナルガンプラとかガンプラ破壊とかに魅力を感じた人は前作ガンダムブレイカー3を遊んでほしい。DLCを全部買ってもNewより安く楽しく遊べる。間違っても本作を買ってはいけない。

意地でも本作を買いたい稀有な人がいるなら3ヶ月待ったほうがいい。その頃には間違いなく半額以下になっていると思われるからだ。

余談

このNewガンダムブレイカーはPS4とSteamでの販売を企画しており、当初は6/21にPS4版を翌日6/22にSteam版を発売する予定であったが、しれっとSteam版の発売は8月に延期されている。延期理由について開発側は

「ガンダムブレイカー」の最新作としてお客様に満足いただける品質をお届けするために、今しばらくの期間が必要との結論に至り、発売時期を変更させていただきます。

としているが、品質向上のためにSteam版を延期するということはこのゲームは満足できるものではないと分かった上でPS4版の発売を強行したというわけである。実際は違うのかもしれないがゲームの出来を見た上でこんなお知らせをされてはそうとしか思えないのがユーザー心理である。

PS4版は見事な有料βテストということだ。金返せ!

ついでに開発は発売前から発売後も定期的にアプデをしてゲームの品質を向上させることを約束しているが、これってやっぱり有料βテストじゃないか!もうそんな事はいいから金返せ!!

実は発売前にβ版と称した体験版が配信されており、上述のガンプラバトルにおける問題点は多くのユーザーから指摘されていた。が、製品版は一切の改良を加えることなく発売されている。

というかβ版が配信されたのは発売の1週間前であり、そんなタイミングでβ版を配信して意見をもらったところで製品版に反映できるわけないのである。

結果としてこのβ版は多くのユーザーの購入意欲を削ぎ予約をキャンセルしたユーザーも多かった模様。しかし予約先の規定でキャンセルできずにクソゲーと知りながら買うしか無いという状況に追い込まれたユーザーも多かった様子。

また、前作までの評価を信じてどうせあと1週間だし、体験版なんてやらなくても買うのは決まってるとしてβ版を一切触らず発売日になってその惨状を知ることになったユーザーも少なからずいるようだ(執筆者もその一人。その期待値でダウンロード版なんて買ってしまったから金を取り戻すことも出来ない・・・)。

ここまで全く良い結果を残さなかったβ版も珍しい。というか、何のためのβ版だったのやら。

人気作を大幅にリニューアルした結果クソゲーになったというこの現象。実はバンダイナムコには前例が存在する。奇しくもその作品もロボットアニメを扱ったゲームシリーズの第4作目で前作に当たる第3作目がシリーズ最高傑作であり順当に進化を続けていたシリーズだったという共通点がある。

まるで成長していない。

そしてそのシリーズはクソゲーと化した第4作目によって評価が地の底へ落ち、挽回するために制作された第5作目もクソゲーで、現在はシリーズそのものが消滅している状態である。ガンブレも同じ道を歩んでしまうのか・・・。









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