ウルトラマンの話

劇場版ウルトラマンR/B 感想

2019年3月8日

この記事は2019/03/08に書いたものです。

劇場版ウルトラマンR/B(以下ルーブ)見てきました。

いい作品だった。

©円谷プロダクション

本当にいい作品だった!!

テレビ本編が個人的に物足りなかったので劇場版もどうなる事やらと思ってたんですが、その不安を見事に吹っ飛ばす名作でした。

以下 自重しないネタバレの山につき未視聴の方は注意

感想(ネタバレあり)

ストーリー

テレビ本編から続く「家族の絆」に加えて今回は「」というテーマを加えられました。

自分の夢に邁進するイサミ。自分の夢を見つけたアサヒ。自分のやるべき事に追われるミオ。自分の使命を果たし続けるウシオ。

家族がみんなやりたい事、やるべき事を見出している中で一人だけ何も無いカツミを中心としたストーリー。

事前情報の段階では「ダブル主人公とは何だったのか・・・。」と思ってましたが、実際に見てみるとこれが良く纏まっている上にカツミの境遇が共感できるものだったので見入っていました。

「夢」というテーマにおいてはイサミは常に自分の夢を追い続けているんですよね。なので夢が見つけられずにもがくカツミに対してイサミは落ち着いてドッシリと構えている。テレビ版ではイサミの方が危なっかしい感じでしたが劇場版では見事に逆転してるんですよね。そこが面白い。

そのストーリーに絡んでくる前作主人公ウルトラマンジードこと朝倉リク。

全体的にシリアスな作風だったジードと全体的にコメディだったルーブと正反対な二作でしたがジードは「親子の物語」、ルーブは「家族の物語」と実は結構近いテーマを扱っていた二作

血の繋がった親子の団欒を知らないリクとその団欒の中にいながらも血が繋がってないアサヒの交流が印象的で「ああ、この二作って以外と近いんだな」と思えました。本作はルーブの映画らしくコメディ多めでリクがジード本編よりも伸び伸びしていて楽しそうでしたね。「じーっとしてても染め上げろ!」とか。

そして何より映画のゲストキャラである戸井。カツミの親友にして自らの夢を叶えながらも現実に打ちのめされてしまった彼の境遇がまるで自分を見ているみたいでグッと来てしまいました。

もがき続けたカツミが最後は自分のやりたい事を見出して旅立っていくまでの過程が丁寧に描かれたいいストーリーでした。

ぶっちゃけデザイナーより魚屋の方が似合ってると思うけど。

ウルトラマントレギア

メイン悪役である悪のウルトラマン「ウルトラマントレギア」。

ベリアルに続く悪のウルトラマンで、自ら手を下すのではなく裏で策を駆使するタイプの悪役。

得体の知れない不気味さ、怪しさ。張り巡らされた狡猾な策略。そして人の心を弄ぶ外道っぷり。と如何にもな悪役。

でありながら戸井がデザインした「スネークダークネス」という名前も見た目も如何にもな怪獣を「素晴らしい中二病だ。」と褒めてくれたり「まぁ、人生は何が起こるか分からんよ。せいぜい頑張りたまえ。」とか「私は残業はしない主義でね。」とかヤケに言動が人間臭い

デザインもカッコいいし魅力あるいい悪役でしたね。

だからこそ素性や目的は謎のまま敗れ爆★散したのは残念でしたね・・・。

「ウルトラマントレギア」という名称も設定にあるだけで劇中では「トレギア」とだけ名乗って一回も「ウルトラマン」とは名乗っていません。ここにも何か事情がありそうですが一切明かされずに終了してしまいました。この辺が明かされる日は来るんでしょうか。

ウルトラウーマングリージョ

劇場版限定の新ヒーローその1「ウルトラウーマングリージョ」。

テレビ版では見守るだけだったアサヒもついにウルトラマンに変身。

ウルトラマンが3人とか湊家はウルトラ最強家族間違いなしやな。

カッコよくキメ台詞をキメたと思ったら明後日の方向を向いていたりと変身後の挙動もまさにアサヒ。中の人も言ってましたがここまで変身前と変身後がシンクロしてるウルトラマンはそうそういないのでは?

単体の戦闘力は低めですがエネルギー回復や強力なバリアなど高い支援能力を持ったウルトラマン。ドラクエで言うなら僧侶ですね。誰かを笑顔にしたいと看護師を目指すアサヒらしい能力です。グリージョが攻撃するときはちゃんと敵を抑えてくれる兄二人がなんとも微笑ましい。

ウルトラマングルーブ

そして劇場版限定新ヒーローその2にして本作の目玉「ウルトラマングルーブ」。

ロッソ、ブル、グリージョの融合によって生まれた究極の戦士。

これがカッコいい!!

変身バンクからカメラが切り替わらずそのまま地上へと降り立つその雄姿で視聴者の心をがっちりと掴みながら登場。

そして地上に降りた雄姿を見て違和感を覚える。

コレは・・・スーツじゃねぇ!CGだ!

制作発表の場などで登場しているのでスーツも作られているはずなのですが、まさかの全編フルCGで描かれたグルーブ

そのまま実写とCGを合成した映像で描かれるグルーブとトレギアの決戦。

二人のウルトラマンが縦横無尽に空を飛び回り目まぐるしく動くハイスピードバトルに私の目は釘付けでした。

カッコよすぎるでしょう!!

更に空中ではグルーブとトレギア。地上ではジードとスネークダークネス。この2つの決戦を一つのカメラで同時に見せるカメラワーク。

これが素晴らしい!!

特殊映像、スーツアクション、ミニチュアワークス。全てが融合した至高の特撮がそこにあったのです!

これは是非とも映画館で実際に見ていただきたい!

私の勝手な考えですが特撮ってアナログこそが至高。CGは邪道みたいな風潮があると思うんですよね。というか、私もそういう考えがある人間でして、実際CGだとヒーローがスーツアクションよりも動いてくれない事が多くて、CGかー・・・。とガッカリした事もありました。

しかし、今回のグルーブはそんな考えを見事にふっとばしてくれました。CGでもヒーローはここまで動ける。むしろCGだからこそここまで動ける。でもスーツにはスーツにしかできない動きがある。その二つを融合させれば特撮はこんなにもカッコよくなる。

という事を見せていただきました。ありがとう円谷プロ。

上映時間

と、楽しい90分を過ごさせていただきました。

そう・・・90分なんです。

90分なんですよ!!

去年までウルトラ映画は60分だったのに、今年は90分に増えてるんです!

その上でスーツが作られているのに予算がかかるはずのフルCGで描かれたグルーブ。

これはもしかして使える予算が増えたのか?パンフレットも去年より値段上がってたし。

予算が増える=円谷プロ復活の兆し?

これは今作の出来と合わせて今年の新シリーズへの期待値が爆上がりですなぁ!

劇場版ウルトラマンR/Bは全国上映中です。

大人も子供もたのしめるカッコいいヒーローの姿。そして「夢」という子供達にみてほしいテーマを扱ったストーリー。

是非、劇場でご覧ください。

不満点

不満点?パッとは思いつかないけど強いて言うなら、ジードウルティメイトファイナルが久々の登場の割には活躍があまりぱっとしない事が一つ。これはギガファイナライザーが対ギルバリス用兵器だから有機生命体であるトレギアとスネークダークネスに真価を発揮できなかったと考えれば分からんでもない。

後はカツミを中心としたストーリーで結果としてダブル主人公を活かせていなかった事が一つ。ただ、ストーリー自体はとてもいいのでこれについてはOVとかでイサミ中心の話を作ってあげてほしい。ウルトラファイトブルとかやらないかな。

最後に今作のカツミのセリフで最も印象に残ったものを紹介して終わりにしましょう。

「夢には翼が生えてるんじゃないんだ。夢には足が生えてるんだ。夢はその足を動かす力になる。その足で一歩ずつ進んでいくしかないんだ。」

この言葉、子供の頃に聞きたかったな・・・。夢を捨てた今の自分には重すぎる。

映画PV

映画PVはこちら。

この映像でグルーブの雄姿に感じ入る物があれば是非映画館へ。

そこには貴方を熱くさせるヒーローがいるはずだ。









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