紹介
この記事は2021/06/30に書いたものです。 「太田 愛(おおた あい)」氏はかつてウルトラシリーズに関わっていた脚本家であり、神回請負人。 元々は塾講師をしながら小劇団で脚本を書いていましたが、彼女自身は映像作品への参加を熱望していました。そんな中、当時の先輩のツテで円谷プロを紹介してもらいプロットを送ったところ採用。ウルトラマンティガ第21話「出番だデバン!」で念願のテレビ脚本家デビューを果たします。 その後、ティガでは「出番だデバン!」を含め4本の脚本を執筆。それ以降も2007年に放送が終了したウルトラマンメビウス及びULTRASEVEN Xまでウルトラシリーズに参加。 その後はテレビ朝日の看板タイトルと言える刑事ドラマ「相棒」に召集され、中でも大一番である元旦スペシャルを計5回も担当。 2020年現在でも「相棒」には脚本家として参加している他、オリジナル小説も出版しており脚本家以外にも活躍の場を広げております。
作風
ウルトラシリーズにおける太田脚本の特徴は深く書き込まれた「人間ドラマ」。 この為、「怪獣が現れたからやっつけよう!」というウルトラシリーズの王道からは大きく外れた話が多いですが、書き込まれた人間ドラマは多くの視聴者の心を揺さぶりました。普段とは一味違うドラマが展開されるので、印象に残るエピソードが数多くあります。 また、シリアスだったり切なかったりする人間ドラマばかりと思いきや「怪獣の身代金」や「怪獣漂流」など振り切ったギャグ回も書けます。「怪盗ヒマラ」ではシリアスな人間ドラマからウルトラマンの戦いになると急にギャグパートになったりと作風の幅はとても広いです。 デビュー作であるティガでは「出番だデバン!」「オビコを見た!」「ゼルダポイントの攻防」と立て続けに「敵性怪獣」が中心ではない作品を執筆。後のシリーズでも「少年宇宙人」や「遥かなる友人」など敵性ではない怪獣や宇宙人を中心とした話が見受けられます。この為、「雪の扉」や「遠い町・ウクバール」の様にウルトラマンと怪獣の戦いがほとんど無い話もあります。 かといって敵性存在が全く書けないという事はなく、「宇宙からの友」や「時の娘」など、明確な敵性存在が登場する話も数多く書いております。 サブライター専任であまり本筋には関わらない話を担当するイメージが強いですが、ウルトラマンネクサスではシリーズ構成を担当した長谷川圭一氏直々の指名で第3クールのメインライターを担当したり、ウルトラマンメビウスではラスボス四天王の話を担当しているのでメインの話にも関わっています。 ウルトラシリーズの脚本を執筆する際は怪獣を常に中心に据え、怪獣の気持ちも考えながら執筆しているとの事。この為、「銀色の眼のイザク」の様に怪獣側を深く掘り下げた話が多いのも特徴です。一方で怪獣がいないことには話が書けないので、怪獣の名前が決まらないと筆が進まないんだそうな。
主な担当エピソード
ウルトラマンティガ 「出番だデバン!」 「オビコを見た!」 「ゼルダポイントの攻防」 「宇宙からの友」 ウルトラマンダイナ 「遥かなるバオーン」 「怪盗ヒマラ」 「少年宇宙人」 「ツクヨの兵士」 「ぼくたちの地球が見たい」 ウルトラマンガイア 「シーガル飛び立つ」 「石の翼」 「遠い町・ウクバール」 「怪獣の身代金」 「銀色の眼のイザク」 ウルトラマンコスモス 「時の娘(前後編)」 「雪の扉」 ウルトラマンネクサス 第3クールメインライター ウルトラマンマックス 「怪獣漂流」 「遥かなる友人」 「クリスマスのエリー」 参加話数こそ少なめですが、一体の怪獣に翻弄されるドタバタギャグを描いた「怪獣漂流」、少年と宇宙人の交流と別れを描いた「遥かなる友人」、変わり者の老人とアンドロイド少女の世にも奇妙な珍道中を描いた「クリスマスのエリー」と、太田氏の作風の広さを手軽に感じ取れるのがこのウルトラマンマックスです。 ウルトラマンメビウス 「ひとつの道」 「孤高のスタンドプレイヤー」 「時の海鳴り」 「オーシャンの勇魚」 「デスレムのたくらみ」 生きている限り・・・生きている限り、必ず、これからできる事があります。 必ず、できる事がある・・・。 根津博士 ウルトラマンティガ「ゼルダポイントの攻防」
君の未来は誰にも分からない。なぜだかわかるかい?それは、君が創っていくからなんだ。 どこへ行っても、どんな時も、君の未来は、君が、君の手で創っていくんだ。 アスカ・シン ウルトラマンダイナ「少年宇宙人」
レスキューって仕事はな。救助を待ち望んだ人間の力尽きて息絶えた遺体を運ばなければならない時もある。 ようやく助け出した人の命が自分の腕の中で消えていくのを見なければならないこともある・・・。 それでも・・・自分の手でひとつの命が救えれば。そう思わなければやってられない。 神山リーダー ウルトラマンガイア「シーガル飛び立つ」
私は・・・行けません。 こんなふうに見て初めて分かりました。 あれはみんな、あそこにいる私、あの時の私の物なんです。 あの時間を私はもう一度生きることは出来ない。 一度きりです。 どんな一瞬も、一度きりなんです。 トマノ ウルトラマンコスモス「雪の扉」
俺は生きる!生きて、この光を繋ぐ! 千樹憐 ウルトラマンネクサス「決戦ーフェアウェルー」
「憧れ」は僕達の手と足を動かす。 躓いても、倒れても、あの遥かな地平に辿り着こうと 僕達は歩き続ける。 ネリル星人キーフ ウルトラマンマックス「遥かなる友人」
それでいいんだメビウス。 人間を愛するためには人間を知らなければいけない。 人間の強さも、弱さも 美しさも、醜さも その両方を知らなければ お前はこの星を愛することはできない。 郷秀樹 ウルトラマンメビウス「デスレムのたくらみ」
紹介動画
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