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第21話
SF作家の夢を持つアオイと、アオイが出会った赤い玉。
そして暴れるのは想像力が生んだ最強の怪獣。
アオイとアカイ玉
今回のゲストキャラクター芝アオイ。
学生の頃の夢は子供に夢を与えるSF作家。でも今は弱小出版社で雑誌の編集者。しかも複数の記事の締切が同じ日に重なり家にもろくに帰れない超ブラック状態。描きたいと思っているSF小説も全く筆が進まない状況。実際仕事に追われていると想像力って衰えていくしなぁ・・・。出版社だからやりたい事に近い職場ではあるけど、夢である作家とは程遠い状態の模様。せめて雑誌ではなく小説に関われる所だったらねぇ。まぁ、行きたい業界、行きたい会社に入ったからといってやりたいことが出来るかと言われたら別問題なわけで。ドラクエみたいな壮大なRPGを作りたい!って思ってゲーム開発会社に入ったのに実際に作っているのはガチャしか力の入ってないソシャゲだったりするわけですよ。
そんな彼女が出会ったのが願いを叶える赤い玉。そして赤い玉から生まれた怪獣ザンドリアスこと命名ドリちゃん。なお、ベビーザンドリアスを見たアオイの第一声は「ブサイク」との事。なんでや!ザンドリアスかわいいやろ!まぁ、昭和怪獣にはブサ可愛いな外見なのも多いけどwあと拾わなかった赤い玉がアオイの机の上に移動しているのは完全に捨てても返ってくるタイプの呪物なんだよなぁ。それに赤い玉がアオイに向かって「あなたはこんな所で書類に埋もれている人間ではない」とか言ってて随分俗っぽい勧誘するようになったなお前さんとか思ったり。
ドリちゃんの力でこれまでにないほど順調に仕事が進んでいくアオイ。
ここでどん底の日々に光が見えたのがある意味後のキングオブモンスに繋がってしまうのかな。どう頑張っても何も変わらないっていう諦めの中よりも、仕事がうまくいって成功体験を得て、どんどん気持ちが上向いてきて次はあれも叶えたい。これも叶えたいってなってくる。ずっとしていた蓋が開いたそのタイミングでその象徴が奪われる。そりゃ希望が一気に絶望に反転して世界の崩壊を願いもするわな。展開がキュウベェとかファントムのやり方なんだよなぁ。作品が違ったら魔女やらファントムやら生まれそうだ。
厄を呼ぶ女
今回登場のアオイはリンの学生時代の友人で今でも連絡を取り合う仲。またしてもリンの学生時代に繋がりがあった人物が厄ネタを持ってくることに。今後もリンの昔の知り合いには注意したほうがええな・・・。
今回SKIPで検知された怪電波の発信源がアオイの働いている職場の付近ということでアオイに連絡を取ったリン。この時、ユピーが二ヶ月前から電波をキャッチしてたって言ってたから、赤い玉が現れてから少なくとも二ヶ月は経過しているってことかな。視聴者目線ではベビーザンドリアスが一気にザンドリアスに成長したように見えたけど、実際は二ヶ月経ってるわけか。
なにかおかしな事が起きてない?とアオイに問うリンだけど、起きてますねぇ。なんなら目の前におかしな事がいますねぇ。それを笑って誤魔化そうとするアオイだけども、リンからはそういう話し方をする時は何かを誤魔化してると見抜かれることに。以前の教授の時もそうだったけどリンは人の癖をしっかり見ているよね。科学者より心理学者の方が向いているんじゃないだろうか。いやまぁ科学者としてもユピーを作るという大成果をあげているんだけども。
隣の芝生は青いのか
美人で仕事ができて、そして自分のやりたいことを出来ているリンに対し、夢を叶えられず日々仕事に追われているアオイ。そのジェラシーの爆発も今回の騒動の一端になってしまいましたな。「みんな夢を持てって言うけど、今の世の中にチャンスなんて殆どない」というアオイの叫びはそうだそうだ!と共感したくなってしまう。でも、想像力がテーマでCMでも「夢を力にしてみんなの夢を守る」と言っているアークでそんなこと言っちゃうのかとも思ったり。同時視聴でもなんで休日の社会人にこんな現実を突きつけてくるんや・・・とか言われてたw
ただ、ここでアオイに考えてほしいのは「やりたい仕事ではないことに苦しめられる」辛さは体験しているだろうけど「やりたかった仕事に苦しめられる」辛さがあるってことも考えてほしいかなとは思うよね。
「自分はこうなりたい」「自分はこれが夢なんだ」って語っている間は希望が溢れているけど、実際に夢を現実にすると当然立ちはだかってくる物があるわけで。ずっと憧れていた夢が敵に思えてしまうことだってあるわけだしね。どんな道を進んだところでみんな苦しいのよ。実際リンだってSKIPを選んだことで恩師と思い出に決別する事になったわけだしね。と言っても「夢を叶えたうえで現実を知って違う道に進んだ」のと「現実を知ること無く別の道に進むしか無かった」んじゃいつまでも夢は輝いて見えてしまうのかもしれないけど。
なお「芝アオイ」という名前は「隣の芝生は青い」から来ているとの事。的確すぎてひでぇとすら思えるな・・・。
想像力が生んだ最強怪獣
防衛隊の攻撃でドリちゃんを奪われ絶望に落ちたアオイの願いによって生まれた最強の怪獣キングオブモンス。オープニングが後期仕様になってから登場を待ち望んでいたけどついに登場。まさかザンドリアスから進化するとは思わなんだ。
残念ながらスキューラとバジリスは流石に登場しなかったけど、地味にザンドリアスがキングオブモンスに進化するところで鳴き声は使われていた模様。
あの独特な鳴き声を響かせながら、着弾した後にワンテンポ遅れて爆発するクレメイトビームで街を蹂躙していく姿はまさに超時空の大決戦を思い出しますなぁ。ウルトラマンアークのBGMが流れてるのにウルトラマンガイアで怪獣が暴れている時のあのBGMがずっと頭の中で鳴りっぱなしだったw
そして実現した想像力が生んだ最強のヒーローと想像力が生んだ最強の怪獣の激突。こういう劇場版の怪獣がTVシリーズに出ると格が落ちるというか、あっさり負けたりすることもあるわけで、ザイゴーグとかギャラクトロンマーク2とかデアボリックとか、TVシリーズであっさり負けたりしてええ・・・ってなったりしたけど、今回のキングオブモンスはアークを全く寄せ付けずワンサイドゲームを展開。初登場から25年経ってもその強さは相変わらず。そして、その戦いを魅せる映像が圧巻の一言。カメラアングルがグワングワン動くし、アークとキングオブモンスの戦いで街がどんどん壊れていく。同時視聴で予算は大丈夫なのか!と心配するコメントまで飛び出すレベルだったけど、ほんとに劇場作品を見てるのかってぐらいてんこ盛りで迫力満点だったね。前回がドラマ中心で戦闘描写控えめだったから乱数調整ならぬ予算調整をしてたのかな。
メイン監督の辻本監督がキングオブモンスの人気を把握していた事を考えるに制作陣もその人気は把握しているだろうし、だからこそ視聴者をがっかりさせたくないって思いがあったのかな。なにより初登場から25年経過しているから普通に子供の頃に見て思い入れのあるスタッフもいそうだしで、最強怪獣を最強怪獣として再登場させようという制作陣の熱意を感じる。素晴らしい!
ギヴァス再び
キングオブモンスが暴れる中、怯える子供の姿を見て我に返るアオイ。子供に夢を与えるSF作家になるはずが子供を怯えさせてしまっていた。ここでかつての夢が今の自分を救うってのがいいね。この時逃げ遅れていた女の子を赤い玉の化身か!?と思ったのは私だけではない・・・はず。
我に返ったアオイの「誰かウルトラマンを助けてほしい。」という願いに応えて宇宙から帰ってきたギヴァス。超時空の大決戦では勉くんの願いに応えてティガとダイナが助けに来てくれたけど、今回はその役目をギヴァスが担ったわけだね。最終決戦でギヴァスが助けに来てくれたりしないかなって思ってたけど、ここで助けに来るとは熱い展開。しかもアークとギヴァスの二人を相手にキングオブモンスが大暴れすることでキングオブモンスの強敵感の演出にも繋がってるしで素晴らしい演出でしたな。
しかし、今回の一件でギヴァスかなりボロボロになってしまったけどこれを修理できる人はもういないんだよね。ギヴァスは今後このボロボロの体で旅を続けるんだろうか。それともSKIPの力でギヴァスSKIPカスタムにパワーアップしたりするんだろうか。その場合、技術的に再現しきれなくて一部が大きくなったりしそうw
ていうか、旅立った割には月からやってきたように見えたけど、まだ月にいたんだw
オマージュと正反対と
今回の話って全体的に見ると超時空の大決戦をかなりオマージュしてる感じがする。赤い玉の出現と赤い玉によって登場人物の願いが叶い、やがて赤い玉によってキングオブモンスが生まれ、苦戦するウルトラマンを救うべく仲間が駆けつけ、最後は赤い玉を拾ったものが玉の消滅を願う。この大筋は超時空の大決戦の流れそのものだよね。
一方で同時視聴であったコメントだけど子どもたちがある意味楽しみながら生み出した超時空の大決戦と、大人が絶望の中で生み出した今回でキングオブモンスの出現理由は正反対な感じになっていた。夢見る子どもたちの物語と夢破れた大人の物語っていうのも正反対な感じがする。
オマージュ要素を取り入れつつもしっかりオリジナルの要素を盛り込み、それでいて作品のテーマに関わる要素もあり見事にウルトラマンアークという作品のエピソードに仕上げた感じがしますな。
赤い玉は最後に自ら消滅を願ったけど超時空の大決戦でも何度も世界の破滅を見てきて、この世界は破滅を乗り越えられるか。みたいなところあったし、今回の個体もなんども世界の破滅を見てきて疲れてしまったのかな。赤い玉はドリちゃんの事は夢の中の出来事だと思って忘れてほしいって言ってたから、おそらくアオイはドリちゃんの事を覚えてないんだろうけど、それでも最後はドリちゃんの声を聞いてたし、最初と変わらずかと思えばちょっとかわいらしいカチューシャを付けてたりしてるし、今回の一件はアオイをいい方向に進めてくれると思いたいですな。
次回
予告の映像にBGMがなく、どこか不穏な気配漂う映像の数々。
そしてさっきまで生命だったものがあたり一面に転がりそうな暗い画面。
おいおい、ホラー回をやるには季節外れ過ぎますよ。てかホラー回なの?