この記事は2017/07/19に書いたものです。
概要
ウルトラQ、ウルトラマン、ウルトラセブン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンAとシリーズを重ねてきたウルトラシリーズ。 シリーズを重ねるに連れ話に深みは増してきたものの複雑にもなってしまい、子どもたちには難しい話も多くなっていました。 そこで、新シリーズは子供にも分かりやすく楽しい作品を目指すことが決定。 そうして生まれたのがウルトラマンタロウです。 タロウという名前も日本人の一般的な名前で親しみやすいから・・・ではなく、元々は「ウルトラマンジャック」という名前で企画されていたのが、当時発生したハイジャック事件を連想するということから没となり、ジャックは英語圏でよくある名前→じゃあ日本でよくあるタロウって名前にしよう。という発想です。余談ですが没になったウルトラマンジャックという名前が後に帰ってきたウルトラマンの名前として採用されるのは皆さんもご存知の通りです。 前述の通り今作は子どもたちに分かりやすく楽しい作品を目指して全編通して底抜けに明るい物語が展開されます(一部例外あり。バサラとかメモールとかバサラとかバサラとかバサラとか)。 当時の特撮作品はシリアス寄りの作品が多かったので、コメディチックな作風は特撮ファンからの批判もあったようですが、子どもたちには大好評。結果として帰ってきた~レオまでの通称「昭和第二期ウルトラシリーズ」において唯一路線変更なしに放送を終えた作品でもあります。 そんな底抜けに明るい作品を目指した本作最大の特徴。それは・・・ 人間が強いこと(物理的な意味で)。 なにせこのウルトラマンタロウ、防衛チームの隊員、民間人問わず怪獣に対し生身で立ち向かう人間が非常に多いのです。 怪獣とラリーを繰り広げるバレーボール選手、売り物を武器に怪獣をおびき寄せる八百屋親子、居合の刀を手に怪獣に立ち向かう青年、怪獣の頭からロープを垂らし目にナイフを突き刺す塾講師、などなど。コントですか?いいえ、ウルトラマンです。 その為、タロウ世代の地球人の皆様はファンから「ウルトラ地球人」と呼ばれる始末。 ちなみにそのウルトラ地球人筆頭は主人公の東光太郎(ひがし こうたろう)だったりします。なんせタロウと一体化する前から空飛ぶ怪獣の足に飛びつき、その足に噛みつき、痛がった怪獣に振り落とされてもかすり傷で生還するという。なんというか・・・ お前ら人間じゃねぇ!! また、タロウと共に地球を守る防衛チームZAT(ザット)の活躍も本作の見所。 作風と同じく和気藹々としたこのチームは、自由な発想と高い行動力でシリーズ屈指の戦績を上げているチームでもあり、ファンから一番所属してみたい防衛チームとして名前が挙がるチームでもあります。 展開される作戦も、怪獣に胡椒をぶっかける、宇宙人に鈴(超巨大サイズ)を取り付ける、怪獣に酒(戦闘機内で調合)を飲ませる、などなど。傍から見たふざけてるようにしか見えない作品を立案、即承認実行に移した挙句、戦果をあげてるから困ったものである。 ・・・書いていてコントを紹介している気分になってきましたが、ウルトラマンです。 とまぁ、こんな具合にとことん明るくて見てて楽しくなる作品なので昭和ウルトラシリーズで私がイチオシしている作品です。 ウルトラマンタロウBlu-ray BOXは12月22日発売です! TSUBURAYA IMAGINATIONでも見放題配信中!
INABA的おすすめエピソード
第11話「血を吸う花は少女の精」 赤ん坊の鳴き声を聞いた人が体の血を抜かれ死亡するという事件が発生。 調査のため現場に赴いた光太郎は赤いキレイな花と植木バサミで赤い花を摘む少女に出会う。 紆余曲折ありながら少女を家に送り届けた光太郎。彼女は孤児であり里子に出されていた。 その里親を少女が持っていた赤い花が襲うという事件が発生。吸血殺人の犯人は少女が摘んでいた赤い花だったのだ。そして、少女は花が里親を殺すシーンを目撃してしまう。 時を同じくしてZATも吸血殺人の犯人を突き止める。少女が花を持っていたことを思い出した光太郎は少女の元へ駆けつけるが、そこで彼が見たのは里親を殺した赤い花を笑顔で人々に配る少女の姿だった。 作品紹介で頭のふっとんだ話を書きまくりましたので、あえてこの話をご紹介。 明るく楽しい作品を目指したタロウの中では異色と言える怪奇でホラーテイスト溢れるエピソードで、少女の心の闇に迫る話となっております。 こえぇ・・・マジでこえぇ・・・ウチ、ホラー苦手やねん・・・でも引き寄せられるねんこの話。 普段がコメディチックだからこそこういったシリアスな話を挟むことで作品全体に緩急がついて飽きなくなるんですよね。
紹介動画
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